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仮想空間の生徒で模擬授業、コクヨの授業シミュレーションシステムに技術協力 テックファーム

テックファーム株式会社が、コクヨ株式会社が展開する「授業シーンシミュレーションシステム」に技術協力

ICTソリューション事業を展開するテックファームは、コクヨ株式会社が提供する「授業シーンシミュレーションシステム」に技術協力を行うことを2025年5月20日に発表した。テックファームが開発した、生成AIとデジタルヒューマンを組み合わせたアバターシステムを応用し、実際の教育現場に即したリアルな授業シーンを再現する。

教育現場では、教員不足や多様な生徒への指導方法の確立といった課題がある。テックファームは、それらの解決の一助としてAI活用に注目。AI研究の一環として、多様性を有する人間の再現性に関して研究を重ねてきた。今回の開発は、その研究成果をコクヨと連携し、教育現場の課題解決に応用したものだ。

今回開発したモデルは、生徒一人ひとりの個性や複数生徒への対応を考慮し、教育現場におけるパフォーマンスの最適化を実現。多様な教育シーンにおける次世代ソリューションとしての活用が期待できるという。

コクヨが展開する「KOKUYO OPEN LAB.」は、新たな働き方を創造するための実験的な取り組みである。「授業シーンシミュレーションシステム」は、同プロジェクトの一環として企画。学校の教室を舞台に、デジタルヒューマンを生徒役として登場させることで、リアルな授業シチュエーションを再現・体験できる。これにより、多様な生徒対応スキルを磨くためのトレーニング環境を整え、教員の負担軽減と質の高い教育の提供に貢献することを目指している。

同システムには、テックファームのデジタルヒューマン技術が採用されている。生徒役のデジタルヒューマンには多様な個性を反映し、複数名が同時に反応したり、反応のタイミングがずれたりするなど、実際の教育現場に近い状況をシミュレートできる。さらに、表情・しぐさ・音声など、現実の児童生徒に近い挙動を再現することで、リアルな対話体験を提供する。今後、教育現場でのプロトタイプ検証と改良を重ねていく予定だ。