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5月1日は「自転車ヘルメットの日」――高校生の着用率は1割未満、全国で進む義務化と課題
2025年5月1日 08:30
株式会社オージーケーカブトは、株式会社産経デジタルと共同で実施した「高校生の自転車用ヘルメット着用に関する指導・対策方法」の調査結果を公表した。
同調査は、各都道府県の教育庁(教育委員会)に対して一斉調査したもので、42都道府県が回答。同社は、5月1日を「自転車ヘルメットの日」と制定し、自転車ヘルメット着用の大切さを伝えるさまざまな活動を行っている。
公立の高校で自転車通学時にヘルメット着用を義務化していると回答した教育庁は、「鳥取県」「山口県」「愛媛県」「高知県」「大分県」「福岡県」で全体の1割強だったが、ほかの都道府県でも警察や教育機関と連携して着用を推進していることが判明した。
2023年4月から自転車乗用中のヘルメット着用が努力義務化されているが、2024年7月の警察庁調査では、自転車用ヘルメットの着用率は全国平均で17.0%と、前年比で3.5ポイントの上昇にとどまった。過去5年では、自転車乗用中に亡くなった人の53.1%が頭部に致命傷を負っており、頭部を負傷した死者・重傷者の中で、ヘルメット未着用の人の割合は、着用していた人の約1.7倍となっている。
自転車の安全利用促進委員会の古倉宗治氏によると、自転車乗用中の10万人当たりの死傷者数(2024年)は、15歳から19歳が218.4人で、全体の52.7人に比べると4.1倍に達している。中高生の自転車事故が多い理由としては、通学時の利用が多く、高校生はより通学距離が長いことが挙げられるという。
また、同委員会の調査では、自転車事故時のヘルメット着用率は、中学生が70.0%で、高校生は10.7%にとどまっており、高校生のヘルメット着用率の低さが課題となっている。
なお、都道府県別自転車ヘルメット着用率(警視庁発表)が69.3%で全国1位の愛媛県は、県として各学校に校則で着用を義務化するよう要請し、2015年7月から着用を義務付けている。同着用率48.3%で2位の大分県も、2021年4月から県立高等学校および県立特別支援学校自転車通学生のヘルメット着用を義務化する方針を決定し、学校側主体で指導依頼を実施した。
一方で、ヘルメット着用の義務化に踏み切れない自治体では「指導の負担」や「費用面での課題」を挙げている。調査によると、着用率を独自に調べている自治体は15都道府県で、多くは警察庁の発表データを活用している状況だという。
オージーケーカブトと産経デジタルは、今回の調査結果を有効活用し、イベントやプロモーション施策による呼びかけや啓発に引き続き取り組むとしている。