ニュース

ランドセルの平均重量が4kg未満に、9割の小学生は「まだ重い」と実感――フットマークが1,200組に調査

フットマーク株式会社が「ランドセルの重さに関する意識調査」の調査結果を発表

フットマーク株式会社は、小学1年生から小学生3年生とその保護者1,200組を対象に実施した「ランドセルの重さに関する意識調査」の結果を公表した。

調査によると、ランドセルの平均重量は3.94kgとなり、昨年の4.13kgから減少した。2021年の調査開始以来、初めて4kgを下回った結果となったが、「ランドセルが重い」と感じている児童は90.4%にのぼり、依然として多くの子供が通学時の荷物に負担を感じていることがわかった。

【調査概要】
タイトル:2024年度ランドセルの重さに関する意識調査
調査対象:通学にランドセルを使用している小学校1~3年生とその親1,200組
調査期間:2025年3月12日~24日
調査方法:インターネットによる調査(クロスマーケティング)
調査地域:全国
実施機関:フットマーク株式会社

同調査では、「ランドセルの重さ」の第1位が「2kg未満」で、24%を占めている。次いで「2kg以上~3kg未満」(22%)、「3kg以上~4kg未満」(15.7%)と続く。教科書などを入れたランドセルの平均の重さは、4.13kgから3.94kgにやや減っているが、「ランドセルが重い」と感じる子供は過去4年間で9割以上となっている。

ランドセルの重さは「2kg未満」が24%
2025年調査では、90.4%の子供が「ランドセルを重い」と回答

ランドセルの重さと児童への影響を研究している大正大学副学長 地域創生学部地域創生学科教授の白土 健氏は、「置き勉が推奨されてきていることや、各社の企業努力でランドセルが軽量化してきていることが平均の重さが減少している1つの要因」としながらも、「引き続き現場の実態に沿って解決策を見いだしていくことが重要」とコメントしている。

必要なもの以外を学校に置く「置き勉」については、「学校で禁止されているので持って帰ってきている」が32%となっている。ただし、禁止されていないが、「家庭学習のため」「何となく持って帰ってきている」が62.1%を占めている。また、革製ランドセルのほかに、別のカバンも使って荷物を持ち運んで登校する子供は、合計で90.7%となった。

白土氏は、保護者が子供の荷物の中身を把握し、子供と一緒に時間割を見て、該当科目の教科書やノートのみをランドセルに入れることを勧めている。

62.1%が「置き勉」は禁止されていないが教科書などを持ち帰ると回答
ランドセルとサブバッグの二個持ちが常態化

今回の調査では、9.2%の親が「入学後に買い替えを検討した」と回答。理由は「ランドセル自体が重いから」で、次に「子供の身体の負担を減らすため」が続く。この数字は年々増加しており、調査開始の2021年と比較すると約3倍に増えていることが判明した。

一方で、ランドセルの選択肢にも変化が見られ「革製のランドセル以外(ナイロン製・ポリエステル製のランドセル)」の認知度は昨年から9.4%上昇している。

前年調査と比較すると、入学後の買い換え検討は3%、ナイロン製・ポリエステル製のランドセルの認知は9.4%上昇

白土氏は、「現場の工夫や改良などでランドセルの重さが軽くなっていることは良い傾向」として、「荷物を取捨選択し、いかに上手に整理整頓できるかが必要。家庭でも子供と一緒に知恵を出し合う時間を取ってほしい」と述べている。

監修者プロフィール

白土 健(しらど たけし)
大正大学副学長 地域創生学部地域創生学科教授
明治大学政治経済学部卒、多摩大学大学院経営情報学研究科修了。株式会社プリンスホテル、財団法人日本ホテル教育センター(現一般社団法人日本ホテル教育センター)企画開発室長、シダックス株式会社社長室、育英短期大学、松蔭女子大学を経て現職。子供の関わる消費ビジネスを主に研究し、小学生のランドセルの重さに関する調査を実施。