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麹町学園、作家のあさのあつこ氏を招いた特別講義を生徒と保護者向けに開催

学校法人麹町学園が作家のあさのあつこ氏を招いた特別講義と「思考・表現・創造」をテーマにした講義を10月30日(水)に開催

学校法人麹町学園は、株式会社エデュソルの協力のもと、作家のあさのあつこ氏を招いた特別講義を10月30日(水)に同校の生徒と保護者向けに開催すると発表した。同講義は、同学園が2025年に迎える創立120周年を記念したプレ・イヤーイベントの一環として、東京都千代田区の麹町学園女子中学校・高等学校内の大築アリーナで実施する。

同講義では、あさの氏が2024年9月に出版した小説『アーセナルにおいでよ』(株式会社水鈴社)の執筆秘話や、作中のエピソードを中心に語られる。同小説では、起業をテーマにして、高校生がそれぞれの悩みや課題を抱えながらも協力して未来を切り拓くストーリーを描いている。講義の中では、創作に対する考え方やキャラクターの作り方、物語の着想を得る過程などが紹介される予定だ。

あさの氏は、創作活動を通じて「生きるための武器」を身に付けてほしいという願いを込めて講義を行う予定だ。参加者は、創作の視点や発想法を学び、物語を作る面白さや表現の自由に触れることができる。

さらに、「思考・表現・創造」をテーマとしたワークショップも実施する。ワークショップ形式で行われるこの講義では、生徒たちが自らの考えを言葉にし、創造するプロセスを体験する。

同学園は、生徒の進路実現を目指すキャリア教育として「みらい科」を展開してきたが、2024年度からは探究活動を中心とするプログラムにアップデートした。

探究活動に取り組む同学園の児童生徒

同プログラムでは、SDGsやSTEAM教育、地方創生など8つのテーマに基づいて探究活動を進め、総合的な行動能力「こうじまちコンピテンシー」と、予想外のものにも価値を見いだせる力「こうじまちセレンディピティ」を育む。

また、同学園は「豊かな人生を自らデザインできる自立した女性を育てる」を掲げ、ウェルビーイング創造を目的として、2024年度からリカレント教育を開始した。この取り組みの1つとして「子ども大学グローバル」との共催イベントを実施し、特別講義に在校生やその家族が参加した。

「子ども大学グローバル」で特別講義を実施

同学園は、学校が生徒だけでなく保護者にとっての「学びの拠点」となることで、社会全体のウェルビーイングを目指している。

『アーセナルにおいでよ』のあらすじ

「おれ、今度、起業するんだ」
幼なじみで初恋の相手・芳竹甲斐から突然呼び出された高校3年生の川相千香は、その文章力と思索力を見込まれ、スタートアップのメンバーとしてスカウトされた。会社の名前は「アーセナル」。「武器庫」という意味だという。コンプレックスを持つ千香。中学生で不登校になった甲斐。詐欺に巻き込まれて逮捕歴のある稲作陽太。バツイチの古藤里佳子・通称コトリ。それぞれ問題を抱えた4人は、各々の個性と能力を武器に、「アーセナル」のために奔走する……。

あさのあつこ氏:略歴

岡山県生まれ、在住。
大学在学中より児童文学を書き始め、小学校講師ののち、1991年『ほたる館物語』で作家デビュー。97年『バッテリー』で第35回野間児童文芸賞、99年『バッテリーII』で第39回日本児童文学者協会賞、2005年『バッテリーI~VI』で第54回小学館児童出版文化賞、11年『たまゆら』で第18回島清恋愛文学賞を受賞。

ほかの著書に『No.6』『ランナー』『火群のごとく』『透き通った風が吹いて』『野火、奔る』など多数。児童文学から時代小説までさまざまなジャンルの作品を執筆し、幅広い世代に親しまれている。