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全国初の「半導体情報科」を開設する熊本県立水俣高校、生徒が実技研修に参加

熊本県立水俣高等学校 電気建築システム科の生徒が、半導体実技研修に参加

日研トータルソーシング株式会社は、2024年9月9日に、同社の半導体人材研修施設「熊本テクノセンター」にて、熊本県立水俣高等学校 電気建築システム科の生徒に向けて半導体実技研修を実施した。同校では、2025年度から全国初の「半導体情報科」を開設。半導体実技研修には、22名が参加した。

熊本県内では半導体関連工場の新設・増設が相次ぎ、人材不足が課題となっている。大学や高等学校と民間企業の連携による人材育成の動きが加速するなか、日研トータルソーシングでは、2023年3月に熊本テクノセンターを「半導体教育」に特化した研修施設として拡張移転し、人材育成に力を入れている。

これまでも同社は、熊本県教育委員会の協力のもと、熊本県立玉名工業高等学校の生徒に向け熊本テクノセンターへの企業訪問、同校でのエンジニア派遣実習を2023年11月から2024年1月にかけて実施。さらに2月より、県内の高等学校教員向けた半導体研修を実施するなど、産学連携の取り組みを実施してきた。

今回の取り組みは、教員向け研修に参加した教員が「ぜひ生徒にも半導体研修を受けさせたい」と教育庁へ問い合わせたことがきっかけで実現したもの。当日は、まず熊本テクノセンター長の遠山敏浩氏が、半導体業界の役割・動向などについて生徒に説明。研修設備を見学した後、半導体製造業務の基礎となる、半導体装置の維持管理業務の実習を実施した。

生徒は2グループに分かれ、半導体装置メンテンナス実習、Tr(トランジスタ)を用いた自動点灯回路組み立て実習を同社が実施している研修内容をもとに、現場で使用される機器を用いて行った。

半導体実技研修に参加した生徒の様子

実技研修に参加した生徒は、「学校の半導体に関する授業で少しだけ知識はありましたが、実技研修を受けてみて繊細で難しい作業だということがわかりました」「教科書だけでは知り得ない情報を知ることができて、実りのある時間になりました」と感想を述べている。なかには、「電気系の就職を考え資格取得に向けて勉強に取り組んでいたが、実技研修を経て、今後の進路決定に経験を活かしたい」と語る生徒もいたという。

日研トータルソーシングの担当者は、同社が提供する研修について、「製造現場で実際に使用する設備を用いて実践的な研修ができることが特長」と語っている。