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教員向けに教育書読み放題×講師派遣サービスを開始、東洋館出版社
2024年6月3日 09:30
教育関連の出版社である株式会社東洋館出版社は、教員の学ぶ機会を確保することを目的に、教育書電子書籍の読み放題と、教員研修のための講師派遣を組み合わせたサービス「Education Palette(エデュケーションパレット)」を5月31日に提供開始した。自治体単位の年間契約となり、料金は教員一人当たり月額550円(税込)。
同社ではサービス提供の背景として、教員の不足や教員が学ぶ機会の不足を挙げている。文部科学省が公表した「教師不足に関する実態調査」によると、全国の公立学校で2,558人の教員が不足し、深刻な課題となっている。
また、多くの学校では初任時から学級を受け持つことも多く、新学期の準備時間が十分でないともいわれている。さらに、全国の書店が減少傾向にあることから教育書と出会う場が限られることや、ベテラン教員などから指導法を学ぶ機会がない教員が増えていることも挙げている。
そこで同社では、教員の業務サポート推進を検討する自治体に向けてEducation Paletteの提供を開始した。同サービスでは「読み放題」と「講師派遣」の2つを利用できる。
・200点以上の教育書が電子書籍で読み放題
教育書読み放題サービスでは、さまざまな場で活躍する教員の知見や体験・実践が込められた教育書を、いつでもどこでも読める。
200点以上ラインナップした教育書は、「学習指導・授業」「学級経営」「学習指導要領」「教育課程」「仕事術」「特別支援教育」「算数授業研究」といったジャンル分けがされており、小学校・中学校・高等学校という校種のほか、教科からも目的の書籍を探すことができる。同社は、毎年約100点の書籍を追加するとしている。
・講師の手配から派遣まで全て代行
教員研修の講師派遣サービスでは、講師の手配と派遣を全て代行し、学校で講演を実施する。講演は年間で最大3回まで。教員研修について「この先生を呼びたいけれど接点がない」「何カ月も前から計画するのが大変」という声に応え、豊富な実践を持つ著者を講師として、研修を実施する。
同社では、研修によって書籍を読むだけでは把握できない「授業の具体」「背景にある経験」に触れることで、授業実践や学級経営に生かせるとしている。
なお、先行導入自治体として、4月1日より兵庫県養父市と契約を結び、全国に先駆けてサービスを開始している。