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IIJ、沖縄県立学校全85校のネットワーク環境を再構築、BYODの利用増に向けて
通信遅延の原因を調査し、帯域保証型回線やローカブルレイクアウトを導入
2024年4月16日 06:30
インターネット接続サービスやクラウドサービスなどの株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は、沖縄県の県立学校全85校(県立高等学校、県立特別支援学校、県立中学校を含む)で、BYOD形式(個人が端末を持ち込む形式)での1人1台のデジタル情報端末利用による通信量増大に対応できるネットワーク環境を再構築し、2023年11月より本格的に運用を開始したことを発表した。
沖縄県の県立学校では、2020年度よりGIGAスクール構想に基づき、授業でデジタル教材やコラボレーションツールなどを利用している。しかし利用が進むにつれ、当初の想定よりデータ通信量が増加し、回線に輻輳(ふくそう)が発生したことにより、アプリケーションにログインできない、レスポンスが遅いなどのトラブルが頻発する状態となった。さらにその時点で、2022年度にはBYOD利用者が増え、通信量が増大することが見込まれており、ネットワーク環境の再整備が課題となっていた。
IIJは沖縄県の依頼に基づき、2021年度より、回線やネットワーク機器を詳細に調査・分析。実際に学校の授業に立ち会い、利用するアプリケーションや利用方法などをヒアリングすることで、インターネットの利用実態を調査した。そのうえで回線品質の測定および分析を実施し、通信状況を可視化することで、通信遅延が発生しているボトルネック箇所の特定を行った。
調査の結果、まず、各学校からの通信が集中して輻輳が起こりやすいWANからデータセンター間の回線を、ベストエフォート型(通信速度を保証しない種類の通信サービス)から帯域保証型に切り替えて、ボトルネックを解消した。
また、学校からインターネットへの通信は通常はデータセンターを経由する。これを、授業で利用するGoogle Web会議ツールやMicrosoft Office、グループウェアなど、特定のクラウドサービスへのアクセスは、各学校から直接インターネットにアクセスする構成(ローカルブレイクアウト)とした。
特にネットワークを圧迫するビデオ会議の音声や映像通信を直接インターネットに通すことで、学校側のインターネット回線の構成を変えることなく、ネットワーク全体の安定化を図った。
具体的な方法としては、各学校にIIJ独自開発のルーター(SEIL)を設置し、Saasの宛先情報を持った「IIJクラウドナビゲーションデータベース」の情報を元に、特定のクラウドサービスへのアクセスだけ分岐させた。