ニュース

千葉工業大学、令和4年度卒業生のNFT学位証明書を希望者約1100名に発行

卒業生であることのみをNFTにし、個人名や学位などの個人情報はVCに記載

千葉工業大学は、株式会社PitPaの支援により、令和4年度卒業生に授与するNFT学位証明書を発行した。同大学の学位記授与式は3月22日に幕張メッセイベントホールにて実施され、NFT学位証明書は3月20日より希望者約1100名に順次配信される。

PitPaによると、大学が学位証明書をNFT化した事例は国内初だという。なお、千葉工業大学の変革センターでは、同じくPitPaの支援によりNFTによる学修歴証明書の発行を2022年8月に開始している。

今回のNFT学位証明書は、一般公開されるNFTと、学生側で公開/非公開の設定が可能なVC(Verifiable Credentials)を組み合わせることで、学生のプライバシーを保護している。NFT画像には「千葉工業大学の卒業生であること」のみを記載し、学生の名前や学位、学科などの個人情報をVCとして発行した。

同NFT証明書の秘密鍵は、株式会社Crypto Garageが提供するキーマネジメントサービス「mahola wallet」を利用し、管理を行なっている。

また、同NFT学位証明書のデザインコンセプトは、同大学にてデザイン研究に取り組む稲坂研究室の学生3名が考案し、NFT、VCそれぞれにデザインを反映した。コンセプトは「大学での経験が“原石”となり、新たなチャンスや信頼関係を磨くきっかけになる」。人間の学びや努力を、ダイヤモンドの「原石」にかけ、色は千葉工業大学のスクールカラー「紫紺」を採用した。

NFT学位証明書のデザイン(左)と、VCの証書デザイン(右)

PitPaでは学位証明書をNFT+VCの形で発行するメリットとして、次の3つを挙げている。

①学生のプライバシーを保護した形で「千葉工業大学の卒業生」であることを証明可能

「千葉工業大学の卒業生であること」のみがNFTで分かる形で、個人名や学位などの個人情報はVCに記載することでプライバシーを保護している。VCの情報は学生側で「公開/非公開」の設定が可能。例えば、就職活動時にVCのURLを経歴書に記載しておくことで、同大学の卒業生であることをオンライン上で証明できる。

②大学機関に依存しない形でのアイデンティティの横展開が可能に

NFTと連携可能なオンラインチャットツール「Discord」やタスク管理ツール「Dework」などと接続するだけでアイデンティティの証明を行うことができる。

③就職時における、リファレンスチェック時のコストを削減

NFTを活用することで、雇用側は第三者により立証された職歴情報を元に採用を進めることが可能になる。学生側も、大学に証明書の発行や情報開示を逐一求めることが不要となる。

NFTマーケットプレイス「Opensea」でも閲覧可能