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paizaが「プログラミング言語に関する調査(2022年版)」を発表

Python、Java、PHP、JavaScriptが人気。TypeScript、Kotlin、Goのニーズが高まる

ITエンジニア向けの転職・就職・学習プラットフォーム「paiza(パイザ)」を運営するpaiza株式会社は、paiza登録者のITエンジニア、プログラミング学習者を対象に「プログラミング言語に関する調査(2022年版)」を実施した結果を発表した。

■社会人・学生の学習で人気が高い言語ランキング

調査方法は、2018年および2022年の「paizaスキルチェック」のうち、ランクが測定できるテストのみを抽出。その受験回数を言語別に算出し、ランキングを比較した(社会人2018年:N=396,614、社会人2022年:N=572,008、学生2018年:N=131,066、学生2022年:N=326,107)。

社会人における学習で安定的に人気が高い言語はPython、Java、PHP、JavaScript。いずれも企業の開発現場で広く用いられており求人数が多い言語で、現場でのニーズの高さが社会人の学習意欲を高めていると考えられる。

また、シンプルで処理速度が速いGo言語と、Androidアプリの開発で使われるKotlinの学習人気が特に伸びていることが分かる。逆に人気が下降傾向にあるのがRubyで、現状では求人数は減っていないものの、学習では他の言語に人気が移っている可能性が考えられる。

学生の学習でも社会人同様にPythonとJavaは人気が高い。一方で、学生ではC++やC、C#が社会人よりも人気となっている。これは、学校の授業で学習するユーザーが増えていることや(C言語)、競技プログラミング(C++)、ゲーム開発(C#)などで学んでいる可能性が考えられる。

■転職で企業からニーズが高い言語ランキング

「2022年順位」は、2020年および2022年に「paiza転職」で掲載された言語別の求人票数を集計して比較。「言語別求人人数比率」は、2022年に「paiza転職」で掲載された求人票に占める各言語の割合を集計(2022年延べ求人票掲載数:31,699件)。

調査結果を見るとJavaScript、Java、PHP、Pythonの人気が高く、社会人の学習における人気言語と実務で企業のニーズが高い言語が一致していることが分かる。

また、2020年から2022年にかけて特に企業ニーズが高まっているのがTypeScript、Kotlin、Go言語の3つ。TypeScriptは、もともと企業ニーズが高いJavaScriptの上位互換言語で、JavaScriptで大規模アプリケーション開発するうえでの欠点を補う言語となっていることでニーズが高まっていると考えられる。KotlinとGo言語については、上記「社会人のプログラミング学習について」と同様の理由が考えらえる。

■転職における言語別の平均年収ランキング

平均年収の調査方法は、2020年〜2022年に継続して「paiza転職」に掲載した企業の求人票に記載された年収を言語別に集計し、記載年収の中央の値(年収600万円~800万円と記載されている場合は700万円)に基づき平均を算出した(2022年調査対象の延べ求人票数: 10,194件)。

基礎知識保有者の調査方法は、paiza登録者のうち、該当する言語について実務経験もしくはpaiza内外で学習経験のある人材を各言語の基礎知識を持つ人材と設定。登録者のうち、各言語の基礎知識を持つ人材が占める割合を算出した。

2022年の言語別の平均年収ランキングでは、学習人気、企業ニーズともに伸びているScala、TypeScript、Go言語がトップ3となった。特にScalaは2020年と比べて平均年収が約72万円もの大幅アップとなっている。なお、「paiza転職」でこの3言語の基礎知識がある登録者は少数で、Scalaで全体の1.0%、TypeScriptで2.6%、Go言語で2.4%となっている。

一方で、C++やCは2020年と比べて平均年収が各約44万円、約46万円と大きく減少している。理由としては、C++の場合、基礎知識を持つ社会人の数が少なく(約11.2%)採用が難しいものの、学習経験者は多い(学生の学習人気言語3位)ため、経験が浅い若手人材の採用が進んだ結果、平均年収が下がったのではないかと考えられる。