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就活生必見!履歴書で面接官の目にとまる資格を無償で取得する方法とは?

文系も理系も短期でMicrosoftの認定資格が学べる「Microsoft Learn」活用法

多くの大学生が取り組む就職活動。これを機に「もっと自分の強みになるものが欲しい」と思う大学生は多いだろう。

そんな大学生にお勧めしたい非常にお得なプログラムがある。今から誰でも無料で始められる、マイクロソフトの認定資格取得プログラム「学生向けMicrosoft Learn」だ。これは同社がグローバルで発行する公式の認定資格で、オンライン講座を受講し、認定試験に合格すればAIやクラウドの資格が得られるものだ。今回、そのプログラムの内容を整理してお届けしたい。

アパレル販売の広告や顧客管理から金融の株価予測まで、どの業界もデータやクラウド、AIを活用しなければ生き残れない世界が到来しつつある。それは、企画や営業職であったとしても、顧客と技術者の間でデータやAIを正しく理解して話せなければ、仕事が進まなくなることを意味する。

たとえば、目の前に食材があっても、包丁やまな板などの料理道具の存在や使い方を知らないと、食材の扱い方もわからないし、料理もできないだろう。同じように、目の前にデータがあっても、どんなテクノロジーをどう扱い、何ができるのかを知らなければ適切な解決策は出てこない。データと仕事を結び付けるスキルが必要というわけだ。資格取得を通じて、AIで何ができるか、データで何が解決できるかを身に付け、話せる人材になって欲しい。

社会人でも多くの人がキャリアアップにこの資格を活用しており、大学生のうちから取得していれば就活も有利になるに違いない。どのようなものなのか、そのメリットや資格の取得方法を紹介しよう。

就職活動の面接は6月から始まり、企業研修も3月ぐらいから開始になる。履歴書の資格欄に自動車免許と英検以外にも目指す業務に関する資格を記載したい。Microsoft Learnで取得した資格があれば、心境的にも胸を張れるし、面接官も具体的に質問しやすいはずだ


Microsoft Learnとは?

Microsoft Learnには、クラウドやAIなどITに関するオンライン講座が3,800件以上用意されているが、これらをすべて受ける必要はもちろんない。「ラーニングパス」という単位で、30分から1時間程度の数講座がまとめてある。資格取得に必要ないくつかのラーニングパスを受講して、最後に認定試験に合格すれば「Microsoft認定資格」が得られる、というわけだ。

Microsoft Learnのメリットの一つが、いつでもどこでも受講が可能なことだろう。専門学校に通う必要も、決まった時間に拘束されることもない。スマホからスキマ時間を利用して試験勉強ができる。

マイクロソフトが無償で提供しているIT系スキルを学習するためのeラーニングコンテンツ「Microsoft Learn」

マイクロソフトが認定する資格なので、理系の専門知識が必要だと思われがちだが、そうではない。学生から社会人まで、知識習得やスキルアップ、キャリアアップの手段として活用されており、文系の大学生で技術的な知識がなくても、基礎から順に学ぶことが可能だ。


どのように学習するの?

大学生や初学者がチャレンジしやすい、AIの知識に関するFundamentals認定資格「Azure AI Fundamentals(AI-900)」を紹介しよう。

資格を取るために必要なラーニングパスは、コレクションという形でわかりやすくまとめられている。

認定資格「Azure AI Fundamentals(AI-900)」を取得するのに必要なラーニングパスがまとめられている

AIについてわからなくても、「AIの概要」といった基礎的な内容からスタートしているので、順番に学ぶことができる。動画を観たり、デモを操作したりしながら短時間で学べるよう構成されている。

それぞれのユニットは動画を観たり、デモを操作したりしながら学ぶ

学習のポイントは、AIやITの世界に特有の用語を理解することだ。たとえば「モデル」という用語。一般的にはファッションモデルのようなイメージを抱くかもしれないが、AIの世界では「ある信号が入ったとき、それを評価して出力するもの」といった意味になる。

このようにITの世界では、普段使われている意味と違う使われ方をしている用語が多いため、それが原因で「自分には分からないと」思い込んでしまう人も多いだろう。しかし、Microsoft Learnでの学習を通じて、おおまかにでもAIやITの用語を理解しておけば、社会に出てから仕事がスムーズに進むかどうかが、大きく変わってくる。

トレーニングを進めると、トロフィーや取得した資格のデジタルバッジが表示される

ちなみに用語の読み方が分からないという初心者には、Microsoft Edgeのようなページの読み上げに対応したWebブラウザーを使うことおすすめしたい。「Azure」が読めなくても、「アジュール」と発音してくれる。

全ラーニングパスを終了すると、認定試験を受ける(詳細は後述)。合格すればデジタルバッジがもらえる仕組みで、自分のプロフィールに「トロフィー」としてずらりと並ぶ。このデジタルバッジを評価に使う企業もあるというので、大学生のうちから取っておくと有利だといえる。

自分のプロフィールに獲得したデジタルバッジが証明として表示される


Microsoft Learnを学ぶメリット

テクノロジーに関する資格は数多く存在するが、Microsoft Learnで学び、認定資格を取ることのメリットは何だろう。

①就職・転職などキャリアアップに通用する資格が取れる
Microsoft Learnで取得できる認定資格は、就職・転職などキャリアアップのときに、IT知識・技術の習得を証明する資格として通用することもメリットだ。

今やどんな業種・仕事に就こうとも、ITを使わない企業はない。その多くは、マイクロソフトの製品を利用している。そのため、一部上場企業では社員研修にMicrosoft Learnを活用しているケースも数多い。ビジネスを知り、AIを開発し、データを取り扱うマイクロソフトが提供している、という点が企業にも高く評価されている。

ちなみにアメリカでは、Microsoft Azureのスキルや資格により年収が120万円程度違い、1.5倍の速さで昇進する(「Azure skills and certifications can boost grads’ salary potential)との調査結果も発表されている。

②実社会で広く利用されている
Microsoft Learnは全世界で280万人がチャレンジし、160万人が資格を取得。日本は提供から約2年になるが、約1万社がチャレンジし、およそ10万人が資格を取得しているという。

また日本では、国立大学の数理・データサイエンス教育の充実のために組織された「数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアム」で、eラーニング教材の一部にMicrosoft Learnのコンテンツも採用されている。

③最新の情報が学べる充実のコンテンツ
Microsoft Learnの最大の魅力は、充実したコンテンツ。3800もの講座がすべて無料で利用できるうえ、常に最新の情報にアップデートされている。テクノロジーの進歩は早く、2~3年で知識も古くなってしまうため、書籍などで学ぶ場合は注意が必要だが、Microsoft Learnであればその心配がない。多くの社会人が利用する理由でもある。


学習スタートから無償での認定資格取得まで

ここからは、Microsoft Learnをはじめる方法、認定資格の取得まで、一連の流れを紹介しよう。

●Step 1 登録する
まずはじめに、学生向けのクラウドアカウント(Azure for Student)のページにアクセスし、表示された[無料で始める]をクリックして登録する。

個人のマイクロソフトアカウントに加えて、「ac.jp」や「.edu」など、専門学校や大学発行のメールアドレスも登録する必要があるので注意しよう。登録時にクレジットカードは不要で、Azureのさまざまなサービスを試すための100ドル分のクレジットもついてくる。こちらの登録も忘れずに。

💡注目!

Microsoft Learnで取得した資格は学校の卒業後も維持できるため、受験時は大学発行のメールアドレスではなく、個人のマイクロソフトアカウントに紐付ける必要がある。マイクロソフトアカウントは無料で取得できるので、まだ作成していない場合はこちらも登録しておこう。登録方法は、「account.microsoft.com」にアクセスし、[サインイン]を選択、[作成]を選んで登録を進めればOKだ。

●Step 2 学習する
登録が完了したら、学生向けMicrosoft Learnの「Student Hub」からラーニングパスを選択して学習を開始する。しかし、膨大な数の講座があるため、最初は自分に合ったものを探すのは難しいだろう。文系学生なら前述したAIの資格「Azure AI Fundamentals(AI-900)」を、理系学生ならクラウド技術の資格「Azure Fundamentals(AZ-900)」から学習することをおすすめしたい。

学生向けMicrosoft Learnの「Student Hub」でラーニングパスを選択できる。文系学生なら「Azure AI Fundamentals(AI-900)」、理系学生なら「Azure Fundamentals(AZ-900)」がおすすめ
学習を進めると「経験値(XP)」が獲得できる、ゲーム感覚で学べるのが楽しい

●Step 3 オンライントレーニングに参加する
Microsoft Learnで学習したら、Microsoft認定資格受験へ向けて準備しよう。まずは、無料のオンライントレーニング「Microsoft Virtual Training Days」に参加しよう。このオンライントレーニングに大学のメールアドレスで登録して受講すると、基礎コース(各種Fundamentals)に対応するMicrosoft認定資格代、12,500円相当を無料で受験できるコードが発行される。

基礎コース(Fundamentals)の資格試験を受験する前に、「Microsoft Virtual Training Days」にアクセスし、学習したいイベントの「登録」をクリック
大学のメールアドレスで登録して受講する。どのコースでも資格試験用の特典をもらえるわけではない。「このトレーニングを修了すると、次の内容が身に付きます。」の下に、希望の認定試験(この画面の場合はMicrosoft Azure AI Fundamentals 認定試験)が「無料で受験できます」と書いてあることを必ず確認しよう
💡注目!

今回紹介している以外にも、多くのMicrosoft認定資格が学生なら無料で受験できる。自分が受験したい資格が対象かどうか、資格試験の一覧で確認できる。

●Step 4 認定資格試験を無料受験特典で申し込む
認定資格試験の申し込みを行なう前に、まずはStep 3の「Microsoft Virtual Training Days」参加で得た、無料受験特典を自分のアカウントに登録しよう。この特典は、イベントの出席から90日間のみ有効なので、期限切れ前に忘れずに申し込もう。

💡注目!

無料受験特典の登録方法は、イベントに出席して数日後にマイクロソフトから届く電子メールにも詳細が解説されている。メール本文にある「試験の詳細」をクリックして、ブラウザーで開いたページ下部の「認定試験」で「Pearson VUEでスケジュール」をクリックする。

イベント参加後に届くメール本文にある「試験の詳細」をクリックしてブラウザーで開く
認定資格の詳細を確認し、ページ下部の「認定試験」で「Pearson VUEでスケジュール」をクリック

ログイン済みであれば、自分の「認定プロファイル」のページに自動的に移動するので、以降の登録手順は以下の登録方法とほぼ同じだ。

まず「Microsoft認定ダッシュボード」にサインインし、自分のダッシュボード右上にある「MCID:あなたの認定プロファイルを編集する」をクリック。「認定プロファイル」の 「役職名」で必ず「Student」を選んで プロファイルをアルファベットで記載し、「試験割引」に進む。ここで 学生であることを登録しておかないと、特典の付与が減ってしまう ので気をつけて欲しい。

「Microsoft Virtual Training Days」の無料受験特典を自分のアカウントに登録する。「Microsoft認定ダッシュボード」にサインインし、右上の「MCID:あなたの認定プロファイルを編集する」をクリック
「認定プロファイル」に名前や住所をアルファベットで記載する。「役職名」で必ず「Student」を選ぶこと。「保存して続行」をクリック

「試験割引」ページの「Enter an email to check for discounts」で、Microsoft Virtual Training Days受講に使用したメールアドレスを入力して、「Check Eligibility」をクリック。確認メールが送信されるので、メール本文に記載されている特典のパスコードを「試験割引」ページで再度入力し、「Verify code」をクリックする。

「試験割引」に進み、「Enter an email to check for discounts」に「Microsoft Virtual Training Days」の参加時に使用したメールアドレスを入力して「Check Eligibility」をクリック
確認メールが届くので、メール本文に記載されているパスコードを「試験割引」ページで再度入力し、「Verify code」をクリック

すると、「Link your Account」が表示され、個人のマイクロソフトアカウントと大学のメールアドレスのリンクが求められるので「Agree」をクリック。

「Link your Account」が表示され、マイクロソフトアカウントと大学のメールアドレスをリンクするように表示が出るので、「Agree」をクリック

成功すると「試験割引」ページの上部に「100% Microsoft Training Day attendance」とバッジが表示されるので、そのバッジの「Claim」ボタンをクリックする。

成功すると「試験割引」ページの上部に「100% Microsoft Training Day attendance」とバッジが表示されるので、そのバッジの「Claim」ボタンをクリック

これでオンライン受験サービスの「ピアソンVUE」のサイトに進むので、受験する試験を予約できる。ピアソンVUEは、環境さえ整っていれば自宅でオンライン受験が可能だが、受験中にネットワーク接続が途切れると失格となってしまうので注意が必要だ。

スマートフォンのテザリングなどでインターネット接続しているなど、 安定したネットワーク環境がない場合はオンライン受験は避け、実際に会場で受験することをお勧めしたい。

ピアソンVUEのサイトに進むので、受験方法など必要な項目を選択し、試験を予約しよう

受験はピアソンVUEの全国各地のテストセンターで可能だ。「テストセンターリスト」で場所が確認できる。受験に必要な証明書などの情報と共に、ピアソンVUEのホームページを確認しておこう。


学生の間にグローバルなIT資格を取得して、就活と社会人生活を円滑に

Microsoft Learnは、マイクロソフトが2500万人に資格を届けたいと活動しているプログラム「Global Skills Initiative」の一環で提供されている

Microsoft Learnや無料での資格取得の提供は、「Global Skills Initiative」の一環であり、コロナの時代の影響を受けた人や学生、就職難民、キャリアアップしたい人、新しくデジタルスキルを得たい人にマイクロソフトが支援することを目的に行なわれているプロジェクトだ。

海外での評価は非常に高く、利用者も日本とは桁違いに多いという。これだけ充実した内容の資格取得の方法があり、さらに学生であれば無料で取得する方法があるという事実を、日本ではまだ広く知られていないようだ。しかし、就職活動はもちろん、社会人になってからもデジタルの知識は必ず身を助けてくれるだろう。

時間が取れる学生の間にデジタルの知識を積み上げることが、この先のビジネスシーンを乗り越える力になるはずだ。社会人になってからでは、時間も取れず、学習も有償になる。資格取得は一生モノ。さまざまな特典が無償で提供される学生の間にデジタル知識の学習や資格取得にもっともっとチャレンジして、人生で長く役立つビジネススキルを身につけよう。

この記事を読んだ就活生の皆さんには、さっそく今日からStep1を実行してもらいたい。その一歩から、あなたの未来は無限に開かれると、確信している。