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「生成AIって何だろう?」小学生用授業プログラムを開発、NPO法人企業教育研究会

NPO法人企業教育研究会が、アクセンチュア株式会社の支援を受けて開発した小学生向け授業プログラム「生成AIって何だろう?」のパイロット授業を6月より開始

NPO法人企業教育研究会は、アクセンチュア株式会社の支援を受けて、小学生向け授業プログラム「生成AIって何だろう?」を開発したと2025年6月24日に発表した。6月から同プログラムのパイロット授業を実施し、教材の配布も順次行われる予定である。

同プログラムは、生成AIの仕組みや活用方法、注意点をを45分で学べる内容になっている。対象は小学校5・6年生で、講師がプロンプトを入力し、テキストや画像が生成される様子を実演。プロンプト(生成AIへの質問、命令など)を書く際のコツを児童に伝え、「苦手な学習の克服方法」をテーマとして児童たちが効果的なプロンプトを考察する。

背景には、生成AIの利用機能を搭載したスマートフォンやパソコンの普及のほか、小学生のインターネット利用率の高さがある。こども家庭庁の調査では、10歳の子供の66.7%がスマートフォンでインターネットに接続しているという。同研究会は、小学生のうちから生成AIに触れ、その基本的な仕組みや特徴、活用方法を理解しておくことがAIと共存していく上で重要だとしている。

同研究会では、授業の中で生成AIを使ったり、注意点を教えたりするだけでなく、生成AIの仕組みや特徴を理解した上で、「子供たち自身が生成AIを適切に活用できる力を身に付けること」を重要な目的として今回の授業プログラムを開発した。

さらに同プログラムを普及させるため、対面での出張授業だけでなく、教員が授業に活用できるダウンロード教材としての展開も視野に入れ、準備を進めている。今後は、授業の公開実施も予定しており、報道関係者向けに案内されるという。

千葉大学教育学部長/NPO法人企業教育研究会 理事長の藤川大祐氏は、「AIは、子供たちが生きる未来において不可欠なツールとなる。このプログラムでは、子供たちがAIを『使いこなす』だけでなく、『AIと共に生きる』ための土台を築くことを目指した」とコメントしている。

「生成AIって何だろう?」授業プログラム概要
対象:小学校5・6年生
教科:総合的な学習の時間、国語、社会、算数、キャリア教育、情報モラル
時間:45分
費用:無料
内容:
①AIについて知る
②生成AIについて知る
③生成AIを上手に活用するプロンプトのコツを知る。
④生成AIの活用の注意点を考える

ねらい:
・生成AIがどのような仕組みで文章や画像を生成しているかを理解することができる
・生成AIを日常生活や学習の中で生かせる使い方を理解することができる
・生成AIを活用する際の指示の仕方や求める情報を引き出すための生成AIとの対話の仕方のコツを理解することができる
・生成AIを活用することのメリット・デメリットを考える中で、リテラシーを高めることができる