ニュース
近畿日本ツーリスト、部活動サポートサービスを2023年度より提供開始
eスポーツやダンスなど「オンライン部活」と「部活動運営事務局」を提供
2023年2月7日 06:45
近畿日本ツーリスト株式会社は2023年度より、「部活動サポートサービス」の提供を開始すると発表した。同サービスでは、住んでいる地域に関わらず専門的な指導が受けられる「オンライン部活」と、部活動運営に関わる事務的作業を代行する「部活動運営事務局」を提供する。
少子化による部活動存続の危機や、教員の休日出勤・長時間勤務など、学校の部活動には多くの課題がある。文部科学省では、部活動の運営を学校から地域に移行する「部活動の地域移行」を進めているが、指導者や活動場所の確保など対応に追われる自治体も多い。
部活動サポートサービスは、近畿日本ツーリストが提供するPTAアウトソーシングに続く学校サポート事業の1つ。同社はこれまで、修学旅行を通じて教育現場と関係性を築いてきたが、さらに、自治体や企業からの受託業務で培った事務局運営のノウハウ、スポーツや文化芸術分野で得たパートナーシップを生かし、部活動を支援するプラットフォームを提供する。
部活動サポートサービスの内容は、下記の通り。
●オンライン部活
オンラインツールを活用し、住んでいる地域を問わず専門的な指導が受けられるサービス。専門知識を持った協業各社が活動内容を計画し、2023年2月1日時点では「eスポーツ部」、「ダンス部」、「ドローン部」、「ヨガ部」の提供を予定している。
同社は2022年11月19日から2023年2月4日まで、沖縄県渡嘉敷村立渡嘉敷小中学校でオンライン部活のトライアルを実施。12名の中学生が全8回、eスポーツ部、ダンス部の活動を体験した。
トライアルに参加した生徒からは、「遠くにいるすごい先生とかとも簡単につながれて通信環境もよくて楽しくできました」「将来、自分がどういう仕事に就きたいかを考えるきっかけになると思う。良い刺激になるかなと思いました」といった意見が聞かれた。
なお、2月1日には部活動サポートサービス説明会が解され、eスポーツ部を提供する株式会社NTTe-Spottsから金 基憲氏、ダンス部を提供するエイベックス・マネジメント株式会社から紙上養一氏・佐藤恵美氏が登壇。トークセッションでオンライン部活の可能性について意見を交わした。
金氏は、「地域の活力や推進役となる若い世代に向けたオンライン部活の取り組みは、さまざまな世代を巻き込む力があり、eスポーツ文化の健全な普及につながる」とコメント。また、紙上氏は第一線で活躍するダンスの指導者は都市部に集中していると述べたうえで、「子どもたちのやりたいという気持ちを、格差なく叶えるために、生徒のニーズに沿う形を突き詰めてオンライン部活を提供したい」と語った。
●「部活動運営事務局」の代行
これまで学校が担ってきた、部活動運営に関わる事務局業務を代行。その内容は、指導者・活動場所の調整業務、生徒への連絡、保護者窓口、集金、保険対応など、多岐にわたる。
なお、オンライン部活、部活動運営事務局ともに、サービスの料金などは一般に公開されておらず、自治体・学校ごとの事情に応じて相談を受け付けている。