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エデュテクノロジー、埼玉県久喜市教委と「BIツールを活用した『次世代型学校教育』の実現に関する研究」を実施

全国の教育現場へICT導入支援サポートを提供している株式会社エデュテクノロジーは、BIツールを学校教育に生かす、「BIツールを活用した『次世代型学校教育』の実現に関する研究」の一環として、「管理職のスピーディーかつデータドリブンな意思決定を促す実証研究」を久喜市教育委員会と共同で実施しており、その取り組みを公開した。

この実証研究は、BIツールを使って教員の状況を可視化したデータが、管理職の意思決定にどのように活用できるかを明らかにすることで、教員のメンタルヘルス向上と、学校組織運営の適正化につなげることを目指している。

●実証研究に取り組む背景
現在の学校現場では、多様化・複雑化した教育課題に迅速かつ的確に対応するために、これまで以上に一人一人の教員が抱える業務が増加している。一方で、管理職は、それぞれの教員がどのくらいの負担があるのか、教員一人一人のメンタルヘルスといった目に見えづらい実態を把握することは難しい。そうした中で、教員の休職などによる子どもたちの学びや学校運営への影響が少しずつ大きくなっている。

そのためエデュテクノロジーでは、管理職が事前に教員の体調等のデータから心身の健康状態を把握し、危機的な状況を未然に回避する意思決定ができれば、運用的なリスク回避につながると考え、久喜市教育委員会と連携し、今回の実証研究を始動することになった。

●実証研究の概要
実証研究は2022年5月より開始。すでに、久喜市立砂原小学校及び久喜市立鷲宮中学校では、端末を通して教員が健康状態などを入力し、BIツールを使ってこれらのデータを管理職に伝えるという取り組みを開始している。

実際の流れは、下記の通り。教員が健康状態を入力するところから始まり、そのデータをBIツールが分析し、レポートにまとめられたものを管理職が確認して現場の改善に生かす。

①教員が健康状態などのデータを入力
毎日、教員に体調ややる気、退勤予定時刻などを、簡単なアンケート形式で端末に入力。

②管理職がBIツールで可視化されたレポートを確認
教員が入力した健康状態のデータを、BIツールが分析、可視化したものがレポートにまとめられ、毎日3回(朝・昼・下校前)と月1回、教員及び管理職のメールに通知。管理職は、全教員のデータを一元的に確認できる。

③データを元に管理職が意思決定 (本実証研究の範囲)
管理職はBIツールによって視覚化されたデータから、教員の心身の健康状態を確認する。教員自身から申告されるデータにより、これまでの経験則による健康状態の把握ではチェックしきれなかった変化を見逃すことなく確認することができる。そこから、教員への声がけや業務の割り振りといった運用的リスクを回避するための適切な対応の意思決定につなげる。

同実証研究では今後、管理職がデータを活用することで、円滑な学校経営を行なうための意思決定にどのような貢献があったかをヒアリングやアンケート等を介して明らかにしていく。