ニュース
日本の昔話を次世代に語り継ぐ、石川県加賀市の海ノ民話アニメーション「お夏のがんど」を公開
2025年1月20日 17:00
一般社団法人日本昔ばなし協会と日本財団は、海との関わりと地域の学びを、子供たちに伝えて語り継ぐ取り組みとして、「海ノ民話のまちプロジェクト」を推進している。その一環として、石川県加賀市を舞台にした海ノ民話アニメーション「お夏のがんど」が完成。2025年1月14日に、「海ノ民話のまち」認定式を行い、加賀市立橋立中学校体育館で上映会イベントを実施した。
「海ノ民話のまちプロジェクト」は、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として実施するもの。日本中に残された海にまつわる民話を発掘し、民話に込められた「思い」「警鐘」「教訓」を、親しみやすいアニメーションにして、次の世代に語り継いでいる。
今回公開した「お夏のがんど」は、病気の母のためにサザエを採って生計を立てる少女の物語。漁師町の住人にとって、海はかけがえのない場所であると同時に、少しの判断の間違いや油断で、命を落とす危険があることを示唆している。
●石川県加賀市を舞台にした海ノ民話アニメーション「お夏のがんど」
上映会には、民話の舞台となった加賀市橋立町の小学生88名と保護者約60名が参加。アニメの上映とあわせて、地元在住で北前船の里資料館 解説ボランディアガイドの呉藤満次氏(79歳)が、岸の洞窟や民話、昔の橋立町と海の関わりを解説。ドローンの映像を上映しながら、「岩洞(がんどう)の中は薄暗い。素潜りをするともう一個、もう一個と思い危険な目にあう」と経験を児童に伝えた。
当日参加した小学4年生は、「話は聞いたことがあったが、アニメで内容を詳しく知れて良かった。また、呉藤さんの話が良かった」と感想を語っている。また、島谷教育長は、「この民話は、単純に悲しく怖いお話ではなく、母親のために無理をしてしまったというところに子供たちがどのように感じるのか、また、親御さんも一緒に感想を話し合い、理解を深めてほしいと思った」とコメントした。