共通テストで「情報」に配点しない一部大学に、情報処理学会が批判声明

一般社団法人情報処理学会は10月12日、「大学入学共通テストで「情報」を必須としつつ配点しない入試に対する本会の見解」と題する声明を発表した。

これは、一部の国立大学が、大学入学共通テストで「情報」を必須として課すにも関わらず、配点しないと予告したことを受けてのものだ。

たとえば北海道大学は9月16日掲載の発表において、「大学入学共通テストの情報Iの成績は配点しません」と記載している。なお、成績同点者の順位決定にあたっては個別学力検査等の成績を重視し、個別学力検査等の成績も同点となった場合には大学入学共通テストの情報Iの成績を活用するという。

また徳島大学は9月29日の発表において、「大学入学共通テストの指定科目として「情報I」を課します」としつつ、「令和8年度入学者選抜（令和7年度実施）までは「総合判定の参考」とし点数化を行いません」と記載している。なお、「令和9年度入学者選抜（令和8年度実施）より点数化を行う予定」としている。

こうした動きに対して法人情報処理学会は、「配点しない科目の受験を強いるのは、入試の実施根拠そのものを喪失することになる」「高校教育におけるその科目の意義を否定することになる」「大学入学共通テストにおいて原則として「情報」を課すとした国立大学協会の基本方針を形骸化するもの」と批判している。

そして、「すべての受験科目に適切な配点が行なわれることを強く求めます」と結んでいる。