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電子黒板は「映すだけ」から「思考の場」へ、授業改善のヒントを動画で公開

アーカイブ動画を公開中。8月20日まで

電子黒板を導入したものの、「教材を映すだけ」にとどまり、授業改善にどうつなげればよいのか悩む学校現場も少なくない。大切なのは「使っている」ことではなく、電子黒板によって「授業をどう変えているか」だ。

こどもとIT編集部では、京都市立西京高等学校附属中学校の実践をもとに、電子黒板を授業改善にどう生かすのかを考えるオンラインセミナーを実施した。数学、国語、理科、英語での具体的な活用場面に触れながら、同校の授業改善の取り組みを紹介。現在公開中のアーカイブ動画では、授業改善につながる電子黒板活用のヒントを確認できる。

アーカイブ動画を公開中
2026年6月24日に実施したオンラインセミナー『電子黒板で実現する、主体的で対話が広がる教室。西京高校附属中の実践に学ぶ授業改善』のアーカイブ動画を公開しています。教科ごとの活用場面や生徒の思考を見える化する工夫など、明日の授業のヒントが得られます。ぜひご覧ください。

視聴時間:約60分
視聴料:無料
対象:教員、管理職、教育委員会、ICT支援員など
公開期間:2026年8月20日まで
視聴方法:フォーム入力後にメールで視聴URLを送付

▼アーカイブ動画でわかること
・数学、国語、理科、英語など教科ごとの具体的な活用場面
・電子黒板を起点とした授業の変化
・校内で活用を広げるためのポイントや取り組み

西京高等学校附属中学校も出発点は同じ。「教材を映すだけ」の活用だった

京都市立西京高等学校附属中学校は、併設する高校に専門学科「エンタープライジング科」を置き、探究的な学びを重視してきた学校だ。1人1台端末の活用にも早くから取り組んできたが、教員側の授業スタイルは、テレビモニターに教材を映す活用にとどまっていたという。

そこで同校が取り組んだのが、電子黒板を単なる提示装置ではなく、 生徒の考えを共有し、対話を生み出す場として活用すること だった。セミナーでは、同校で電子黒板の導入と活用を推進してきた宮部剛先生(現・京都市立伏見中学校校長)と、現在その取り組みを引き継ぐ教頭の新井健吾先生が登壇し、 数学、国語、理科、英語の授業動画をもとに 、具体的な活用場面や校内での活用推進について紹介した。

授業改善で電子黒板の活用を見直した京都市立西京高等学校附属中学校

授業動画で見る、教科ごとの電子黒板活用方法

セミナーでは、数学、国語、理科、英語の授業動画をもとに、電子黒板の具体的な活用場面が紹介された。

数学では図形やグラフの変化を大きな画面で動かしながら説明する場面や、京都大学緒方研究室が開発したペンストロークを活用して生徒の思考プロセスを可視化する場面が共有された。グラフの変化をその場で動かしながら示すことで、抽象的な内容もクラス全体で共有しやすくなる。

グラフの変化を動かしながら説明
生徒が問題を解く過程を「ペンストローク」で再生し、思考のプロセスを見える化

古文では、『枕草子』を題材に、暗唱から読み取り、思考の整理へと進む授業の流れを紹介。電子黒板に複数の資料を提示し続けることで、生徒の視点を途切れさせずに、授業をスムーズに展開していく様子が確認できる。

暗唱・読み取り・整理へとスムーズに授業を展開

理科では、写真や骨格図に直接書き込み、提示資料をそのまま思考する場として活用する実践が紹介された。資料を切り替えることなくテンポよく授業が進むため、生徒の思考の流れが途切れにくいことがわかる。

提示資料に直接書き込みながら、テンポよく進む理科の授業

英語では、生徒の英文を電子黒板に投写し、京都大学緒方研究室が開発したAIチャットボットのフィードバックをもとに表現を改善していく場面が紹介された。生徒の画面を共有しながら、文法や語彙の使い方を確認し、よりよい表現へとつなげていく流れが見られる。

「AIチャットボット」を活用した英語の授業。画面切り替えで生徒の画面を共有し、英作文のフィードバックを行う

いずれの授業でも共通しているのは、電子黒板の操作が授業の流れの中に自然に組み込まれていることだ。資料の提示、書き込み、考えの共有がテンポよく行われており、電子黒板を使うことで、生徒の集中を保ちながら学びを深めていく様子を動画で確認できる。

「教える授業」から「生徒がより主体的に学ぶ授業」へ、電子黒板が生む変化

宮部先生が電子黒板の導入で重視したのは、教室前方のホワイトボード中央に大きく投写することだった。黒板の左右どちらかに映す方法もあるが、それでは教材を補助的に提示する使い方にとどまりやすい。電子黒板に映した教材を授業の中心に据え、生徒の視線や思考を集める場にするため、黒板の中央に大きく映すことにこだわった。

西京高等学校附属中学校の元教頭 宮部剛先生(現・京都市立伏見中学校校長)
西京高等学校附属中学校 教頭 新井健吾先生

同校での活用について、宮部先生は「 電子黒板は、生徒の思考を生み出す場になる 」と語る。投写した教材や問題にその場で書き込み、教員と生徒、生徒同士が考えを共有する。板書や説明にかかる時間を短縮できることで、生徒が考えたり、話し合ったりする時間も生まれやすくなったという。

現在の取り組みを引き継ぐ新井先生は、導入後の変化を「 ホワイトボードがタブレット代わりになった 」と表現する。教員が手元のタブレットを見ることなく、教材の提示や書き込み、画面の切り替えを電子黒板上で行えるため、生徒の反応に応じて授業を展開しやすくなった。

こうした使い方は、生徒が前に出て考えを説明する場面にもつながっている。自分の端末で作成した解答を電子黒板に投写し、必要に応じて書きこみながら修正していく。1人の発表で終わらず、 ほかの生徒が前に出て意見を重ねる場面も生まれている という。

生徒たちが意見を交わす場へ

あわせて、宮部先生と新井先生は、電子黒板について校内でどのように使い始め、授業の中に定着させていったのか。活用を広げるまでの過程についても語っている。

授業改善に役立つ電子黒板の機能も紹介

セミナー後半では、エプソン販売株式会社の赤井聖弥氏が、 授業動画に登場した電子黒板の機能を解説 している。大画面投写や画面への書き込み、2画面表示、無線投写、板書のキャプチャ保存など、各教科の実践で使われていた機能を取り上げながら、授業のどの場面で生かせるのかを紹介した。

授業動画に登場した機能紹介

電子黒板を「映すだけ」で終わらせず、生徒がより主体的に考え、対話しながら学ぶ授業へどうつなげるのか。西京高等学校附属中学校の実践は、明日からの授業で役立つヒントが詰まっている。この機会にアーカイブ動画を視聴し、授業改善の参考にしていただきたい。

★西京高校附属中学校の活用事例をまとめた『電子黒板活用授業事例集VOL.4』
PDF冊子を無料でダウンロードし、印刷して配布も可能!

京都市立西京高等学校附属中学校の電子黒板の活用事例をまとめたPDF冊子がこちらのページから無料でダウンロードできます。

電子黒板を「学びの場」として、生徒の主体的な活動を引き出す実践例を紹介。先生目線で電子黒板の効果を語るインタビューや、楽しく学ぶ生徒のリアルな声が掲載されています。ぜひご覧いただき、これからの教育活動にお役立てください。