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マイクロソフト、教育機関で誰でも使える『明日から使えるCopilot依頼文(プロンプト)10』を無料公開
- 提供:
- 日本マイクロソフト株式会社
2024年12月25日 06:30
生成AIの利用が広がっているものの、自分の学校ではまだ誰も使っておらず、実際に活用するのはまだ先の話……そんな風に思っている先生方、意外に多いのではないだろうか。
そうした中、文部科学省の有識者会議は12月20日、令和5年7月末に公表された生成AIのガイドラインを見直した「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(案)」を発表した。この案では、前回のガイドラインに比べてさらに一歩踏み込み、教務や校務を支援する活用事例も新たに盛り込まれている。
これを受けて、マイクロソフトは教員向けに生成AIの初歩的な活用をまとめた冊子『Microsoftの生成AI 明日から使えるCopilot依頼文(プロンプト)10』を無料公開した。今後、学校現場における生成AIの活用は一層拡大していくと見られるが、まだまだ使うことに不安を感じている教員も多い。そこで教員が活用の第一歩を踏み出せるよう、今回のプロンプト集が作成された。企画を担当した日本マイクロソフト株式会社の青木智寛氏に話を聞いた。
≫『Microsoftの生成AI 明日から使えるCopilot依頼文(プロンプト)10』がこちらのページから無料でダウンロードできます
生成AIを怖がらずに使ってほしい
マイクロソフトが公開した『Microsoftの生成AI 明日から使えるCopilot依頼文(プロンプト)10』は、生成AIの活用が初心者の教員を対象にしている。マイクロソフトのページから無料でダウンロードでき、授業や部活動、校務など、学校の日常的な場面で役立つプロンプト10選を、それぞれ1枚のスライドにまとめてわかりやすく解説している。
同プロンプト集を手掛けたのは、教育とテクノロジーの領域に長年携わってきた日本マイクロソフト株式会社 教育戦略本部ソリューションスペシャリスト 青木智寛氏。同氏は教育工学の実践研究に従事した後、大手教育系出版企業などでの経験を通して学校現場に深くかかわってきた。その経験から、教育現場における生成AIの課題に注目し、初心者の先生が使えるシンプルで実用的なプロンプト集を作成した。
「とにかく、先生方に生成AIを怖がらず、もっと気軽に使っていただけるよう、授業や校務など日常の場面で役立つプロンプトを厳選しました」と青木氏は語る。「まずはパソコンに向かい、Copilotに少しでも言葉を入力してみて、生成AIが何をできるのかを実感していただきたいと思います」と語った。
同プロンプト集の最大の魅力は、シンプルさ。複雑で専門的な説明を省き、ITに不慣れな教員や生成AI初心者でも簡単に使える内容となっている。そのため、プロンプトを1回入力するだけで結果が得られるものを厳選しているが、青木氏は「望む結果を得るためには、生成AIと対話を重ねることが重要」と語る。
「生成AIは1回のプロンプトだけで完璧な結果を出すわけではありません。人に仕事を依頼する際、1回で完璧に伝わり、完璧に仕上がることは、正直なところほとんどありません。生成AIも同じで、しっかりと対話を重ねながら、自分の要望を具体的に伝えることで、望む結果を得ることができます」と青木氏は強調する。
一方で、始めの第一歩を踏み出すにあたって、データの取り扱いに不安を感じる先生も多い。これについて青木氏は、「教育機関で配布された組織向けのMicrosoft アカウントでサインインしてCopilotを使用すれば、データは保護されます。入力されたデータが学習に使用されることはなく、外部の組織から閲覧される心配もありません」と語る。
教育現場における生成AI活用は、クリエイティブな使い方に変わっていく
青木氏は、教育現場における生成AIの活用について、現在も一部の先生や学校で取り組みは始まっているが、今後は児童生徒が探究学習などのクリエイティブな活動に活用する場面が増えていくだろうと語る。
「何かを深く掘り下げたいときや、新しいものを考えたいとき、人はゼロからイチを生み出すよりも、最初は何かを模倣したり参考にするものがあって、それをもとに自分の作りたいものを形にすることが多いと思います。その際に、自分の中で作りたいものを明確にするための道具、あるいはそのプロセスを支える存在として、生成AIは非常に有効だと感じています」と青木氏は語った。
原動力は、子供の頃に経験した新しいテクノロジーとの出合い
青木氏が生成AIの活用に注力する原動力は、自身が9歳のときにとある体験会に参加し、初めてPCを組み立ててその内部の仕組みに触れた経験に遡るという。当時、魔法のようにみえたPCも、その仕組みを知ったことで、PCの可能性に興味がわくと同時に、自分のやりたいことをなんでも表現できることにワクワクしたそうだ。その後、大学生時代に塾講師として教育分野に関わったことをきっかけに、教育とテクノロジーの領域に興味を持ち、大学院では教育工学を専攻。以来、先生や学校現場との関わりを深めながら、教育の未来を見据えてきた。
「大学院時代の研究では、離島地域で学ぶ高校生に向けて学習アプリを開発し、実際に活用してもらって振り返る、実践研究をおこないました。子供たちが未知のテクノロジーを使いこなしながら互いに知見を深めていく姿に、教育のアプローチの方法の幅広さを感じました」と青木氏。その経験から、生成AIもすぐに身近なテクノロジーとして、教育のアプローチの一つとなり子供たちの成長を支えることにつながると話す。
『Microsoftの生成AI 明日から使えるCopilot依頼文(プロンプト)10』は、下記よりダウンロードが可能になっている。ぜひ、この機会にCopilotに触れ、ご自身の教育活動に生かしていただきたい。
記事で紹介したCopilotのプロンプト集がこちらから無料でダウンロードできます。
これから生成AIを使い始めてみようという先生方や自治体に向けて、授業や部活動、校務など、学校の日常的な場面にそったプロンプトがわかりやすく解説されています。ここからぜひ活用を始めてみてください。
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