トピック

ICT教育、探究学習、グローバル教育、10代が経験しておきたい学びを叶える学校

~東京成徳大学中学校・高等学校における6年の学び~

安定した将来を描けない今だからこそ、子どもには「さまざまなことを経験してほしい」と願う保護者は多いだろう。多様な経験を通して自分の好きなことを見つけたり、困難に直面しても乗り越える術を学んだりと、子どもの頃の“経験値”は激動の時代を生きる力につながる。ゆえに、10代の多感な時期を過ごす学校には、さまざまなな経験ができる場所であることを求めたい。

そんな想いを叶えてくれる学校のひとつが、東京成徳⼤学中学・⾼等学校(以下、東京成徳中⾼/東京都北区)だ。都内の下町エリアにある同校は中高一貫校のメリットを活かして、6年間でICT教育や探究学習、留学を含むグローバル教育など多様なプログラムを実施。特にICT教育においては、Appleの認定校にも選定されており、将来に必要なICTスキルの育成に力を入れている。同校ではどのような学びができるのか、その6年間を紹介する。

多様な経験を通して成長する、6年間の完全中高一貫校

東京成徳大学中学校・高等学校

同校が重視しているのは、「人間性」「学力」「心身」といった土台となる部分と、これからの社会に必要な「創造性」「グローバル・マインド」「社会の変化に対応できる力」を伸ばす教育。多様でグローバルな時代に対応していくためには、英語力やICTスキルといった実践的な能力を身につけ、自らの考えで判断し動ける行動力が重要だ。同校では6年間を通して、そうした力を伸ばすカリキュラムを組んでいる。

東京成徳中高のカリキュラムで伸ばしたい資質・能力

中学の3年間はさまざまな可能性を広げる土台をつくる時期。新しい人間関係を築き、iPadを日々の学習や学校生活で活用しながらICTスキルを身につけていく。また2年次には、全員がフィリピン・セブ島で短期語学留学を経験。早い段階で親元を離れ、リアルな英語に触れながら、自律やグローバルへの意識を高めていく。

3年次にはさらなる成長の場として、選択制の「グローバル教育」を実施。2年次の短期語学留学の経験をもとに、「留学タイプ」は3カ月間のニュージーランド留学へ、「国内タイプ」は基礎学力の定着やグローバル教育、創造的な学びといった目的別プログラムに取り組む。どちらのタイプを選ぶかは、生徒の判断に委ねられており、高校進学を控えて、この先どう学んでいくのか自分で考えて選ぶ。

2年次に全員が短期語学留学を経験し、3年次の「グローバル教育」は選択制。「留学タイプ」と「国内タイプ」から選ぶ

高校3年間は進むべき道を切り拓く期間。中学で身につけた語学力やICTスキル、学校の内外で学んだ知識や経験をもとに、自分の進むべき道を見つける。4年次は興味を深める「探究型学習(Diversity seminar)」に取り組み、5年次はそれを発展させる「実地踏査型宿泊研修」、もしくは長期留学という選択肢を用意。めざす進路や未来にむけて突き進む。

高校では4年次に探究学習、5年次はさらに興味ある分野を深める「実地踏査型宿泊研修」を学ぶ

東京成徳中高の学びを支えるICT教育と環境

東京成徳大学中高は、日本に10校しかない「Apple Distinguished School」のひとつ

こうした東京成徳中高の学びを支えているのが、iPadによるICT教育だ。同校では授業や家庭での学習はもちろん、教師との連絡やクラス内の情報共有、学校行事や部活動など学校生活のあらゆる場面でiPadを活用している。

またiPadを活用して、クリエイティブな学びにも力を入れている。学んだ内容をプレゼンテーションや動画にまとめてアウトプットしたり、課題を解決するツールとして活用したりと、生徒の可能性を広げるツールとしてもiPadを活用。こうした取り組みが評価され、Appleの先進的教育機関「Apple Distinguished School」に選ばれた。今では「ICT教育に力を入れている」という理由で同校を選ぶ生徒も多いという。

さらに同校では、探究学習や多様なプログラムを実施するにあたり、STEAM関連の施設が充実している。実験設備がそろった理科室やプログラミングも学べるコンピューター教室、日本文化を体験できる茶室やアートへの興味を感化する陶芸室など、デジタルだけでなく理系分野や教養を高める学習環境にもこだわっている。

コンピューター教室。今年度からは中学校のプログラミング教育も刷新
本格的な陶芸も体験できる陶芸室
校舎の最上階にある茶室。留学に行く前に茶道体験も実施
プレゼンテーション大会などが開催されるホール
6万冊の蔵書数を誇る図書室
解放感のある武道室

こうした環境に加えて、生徒と教師の距離が近いのも同校の校風のひとつ。アットホームな校風の中で、生徒たちはのびのびと学んでいる。

iPadでアウトプットを重視し、ICTを活用できるスキルを伸ばす

東京成徳中高では、iPadを使ってどのような授業が行なわれているのだろうか。一例として、中3公民「国際連合のしくみ」の学習を紹介しよう。

この授業では、国連の組織についてネットで情報収集し、調べた内容をiPadでデジタルのポスターにまとめる。生徒たちはiPadを使って日本語の国連のページにアクセスし、必要な情報を取捨選択して、文書作成アプリ「Pages」に写真や資料を添えてポスターにまとめた。

調べたことを文書作成アプリ「Pages」でデジタルポスターにまとめていく

作成したポスターは、PDFファイルに変換してGoogle Classroomで教師に提出。またクラス内の共有用として、ポスターのスクリーンショットを撮り、掲示版アプリ「Padlet」にアップして共有した。

掲示版アプリ「Padlet」で共有された、生徒が作成したデジタルポスター

このように東京成徳中高では、学んだことをポスターやプレゼンテーション、動画にまとめて発表するという授業が、どの教科でも頻繁に行なわれている。教師が板書を書き、言葉で説明されたものを覚えるのではなく、与えられた問いに対して自分で考えて表現する、アウトプットの機会を大切にしている。

一方で、iPadを活用するデジタルな学びばかりを重視しているわけではない。同授業を担当した福島祥雅教諭の場合は、週に1回、生徒全員に新聞を配り、その中から気になる記事を選んで要約し、感想を書く活動も取り入れている。デジタルとアナログ、両方のメリット・デメリットを知りながら、適切な方法を自分で選べるようになることをめざしている。

iPadを活用する学習ばかりではなく、新聞を読むといったアナログな学習も大切にしている
福島祥雅教諭

福島教諭は、中学1年生からiPadを活用していくと、生徒それぞれの得意分野がでてくると語る。「写真を撮るのが得意な生徒、編集が得意な生徒、また映像やゲーム、イラストが得意な生徒など、それぞれの個性がテクノロジーの領域においても発揮され、生徒たちは互いに教え合いながら、ICTスキルを伸ばし課題解決力を身につけていきます」(福島教諭)。

自分の興味を広げ、進路や成長につなげる探究学習

留学やICT教育とならび、東京成徳中高の学びで紹介したいのが、4年次(高校1年)で取り組む「探究型学習(Diversity seminar)」だ。中学で短期語学留学やグローバル教育を経験し、視野を広げた生徒たちが、さらに高校で可能性を広げられる学びをめざす。自分は一体何に興味があって何がしたいのか。専門分野の入り口に触れながら、進路や将来につながる引き出しを増やしていく。

同校ICT活用推進部の木内雄太教諭は「生徒が自分の興味あるテーマに向き合いながら、主体性や多様性、チャレンジ精神などを伸ばしていきたいと考えています。高校1年の段階では、進路を決めていない生徒たちも多く、まずは興味を持てるテーマをやってみて、自分の世界を広げるきっかけにしてほしいですね」と語る。

2021年度は、自然環境やプログラミング、芸術やSDGsなど、さまざまな領域の7講座が用意された。生徒たちがどの分野に興味があるのか、じっくり考えられるよう、すべての講座を予備履修して選ぶ仕組みになっており、時間をかけて自分のやりたいことを考えることができる。

「沖縄から学ぶ基礎教養」のゼミ
「ものづくりとSTEAM」のゼミ
「アプリケーションを開発しよう」のゼミ
「美味しい珈琲を淹れよう」のゼミ
「SGDsと社会貢献」のゼミ
「人と自然の関わり」に関するゼミ
「芸術の可能性を探ってみよう」のゼミ

⽣徒たちのゼミの選択理由もさまざま。「Webデザインやデザイン関係の分野に進みたいので」、「ニュージーランド留学をして⽇本をもっと知りたいと思って」、「ものづくりが好きだったので」など、主体的にゼミ選びをしている姿が浮かび上がる。

1年の探究型学習を通して、「プログラミングはやったことがなかったけど、トライ&エラーの精神や試行錯誤する力が身についた」「自然の課題を知り、自分で何かできることはないかと改善案を考え、発表できたことに成長を感じた」という話も聞かれ、探究型学習を通して生徒なりのカタチで成長していることがわかる。

自分の成長を感じている生徒たち

東京成徳中高で学ぶ生徒たちは、同校での学びをどのように感じているのだろうか。

住永ことかさん

3年生(中3)の住永ことかさんの話
「先生、先輩、後輩の仲が良くて行事などがとても楽しいです。先生にやりたいことを相談したら積極的に協力してくれるので、自分を出せる気がします。自分深めの授業では、ひとり暮らしにいくら必要だとか、初任給はいくらなどを調べる機会があり、漠然としていた将来の道が見えてきました。学校では、自分から言って実践することが増えたので、積極的な部分が成長したと思います」

大橋 紡さん

5年生(高2)の大橋 紡さんの話
「英語や社会など、授業でグループワークやプレゼンテーションに取り組む機会が多いのが良いところだと思います。自ら進んで活動する積極性や、仲間と協力する協調性などが身につきました。また学校行事や委員会活動などを通して、自分に求められていること、するべきことは何かを考え行動する力も成長したと思います。将来は、教師をめざしているので、夢を叶えるために勉強を続けたいです」

ボードリ将輝さん

6年生(高3・卒業生)ボードリ将輝さんの話 「ニュージーランド留学という貴重な経験ができ、グローバルな環境で学習することができました。質の高い英語の授業で英語力が伸びたと実感します。また中学生の時からスピーチコンテストをしたり、iPadを使ってプレゼンテーションをする機会が多く、人前で話す力やプレゼンテーションの能力なども成長しました。学校生活で培ったICTスキルをこれからも活かしてがんばりたいです」

今回話を聞いた3人に限らず、東京成徳中高で学ぶ生徒たちは、日々の学びを通して、さまざまな成長を見せている。生徒たちの声ほど学校の姿を表すものはなく、充実した学びの様子がわかる。

中学校・高校の6年間は、人間力という土台を築く時期であると同時に、将来の方向性を見つける大事な時期になる。その間に、将来に必要なICTスキルや創造性を育みながら、さまざまな経験ができる東京成徳中高の学びは、生徒たちの可能性を広げてくれるに違いない。自分のやりたいこと、好きなことは何か。将来をどう生きていきたいのか、学校生活や普段の学びを通して考えられる場ほど、生徒たちにとって貴重なものはないといえる。

※東京成徳中高では、4/22(金)にオンライン学校説明会、5/7(土)オープンスクール、5/15(日)校舎見学会&体験授業の開催を予定しています。同校の学びを詳しく知る絶好の機会でもありますので、ご興味をもたれた保護者の方は是非ご参加ください。詳しくはこちらから。