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東京書籍、文科省の教育分野特化型生成AI実証事業に採択

教科書データ活用基盤を構築し、学習サービスの品質向上へ

東京書籍株式会社が、文部科学省「生成AIの活用を通じた教育課題の解決・教育DXの加速『学びの充実など教育課題の解決に向けた教育分野特化の生成AIの実証研究事業』(令和6年度補正予算事業)」において、実証事業者に採択

東京書籍株式会社は、文部科学省が進める「学びの充実など教育課題の解決に向けた教育分野特化の生成AI実証研究事業」に採択されたことを2025年9月22日に発表した。同事業は令和6年度補正予算による取り組みで、生成AIを活用して教育現場の課題解決と教育DXを推進する狙いがある。

生成AIは外国にルーツを持つ子供や保護者への多言語支援、学習者一人ひとりに合わせた教材の生成といった幅広い可能性を持つが、汎用的な基盤モデルだけでは十分な実証が難しい課題もある。そのため、教育分野に特化した参照データの整備やモデルのチューニング、現場実装の検討が必要とされている。

東京書籍は同事業で、「教科書データ活用基盤の構築による学習サービスの品質向上」をテーマに実証研究を実施。中学校の社会・数学・理科・英語の4教科を対象に、教科書を生成AIが理解して活用できる形式に再構築し、幅広いAIサービスが連携できる接続基盤を整備する計画だ。

これにより信頼性の高い学習情報を活用できる環境を実現し、授業支援や個別学習、特別支援教育、多言語対応といった課題にも応えることを目指す。

今回の採択は、同社が進める教育DX戦略の大きな一歩であり、生成AIを安全かつ効果的に教育現場へ取り入れるための基盤づくりを加速。実証研究を通じて得られる知見や技術を教科書と生成AIの連携モデルとして確立し、全国の学校や教育機関、EdTech事業者との連携を通じて広く展開するという。