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パルシステム、返済不要の奨学金を20人へ給付――生活相談や社会体験プログラムで学生を伴走

一般財団法人パルシステム若者応援基金が20人を対象に、返済不要の奨学金給付を開始

一般財団法人パルシステム若者応援基金は、給付型奨学金として新たに20人の学生への支援を決定した。

今回選ばれたのは、パルシステムの活動地域で暮らす大学や専門学校に通う学生で、経済的困難に加え、家庭内暴力やネグレクト、家族の病気といった複合的な問題に直面している。給付される奨学金は月額4万円で、返済は不要。精神面の支援として、伴走支援団体による生活相談なども行われる。

さらに、奨学生には学外での体験も提供しており、パルシステムの産直提携先での農業体験やボランティア活動を通じて、社会との接点や多様な人との交流の機会を提供する。

パルシステムの奨学金制度は、2019年度にモデル事業として始まり、2021年度から本格的に運用されている。2023年12月には、一般財団法人パルシステム若者応援基金を設立し、より持続的な支援体制を整備した。

支援の資金はパルシステムの組合員による募金に支えられている。2024年度には5,376万520円が集まり、制度開始からの累計募金額は2億199万7,297円に達した。なお、毎月一定額を寄付する「奨学生応援サポーター」は、2025年3月末時点で1万1,434人を数える。

同制度は、単なる経済的支援にとどまらず、若者が将来を前向きに築くための総合的な環境づくりを目指している。サポーターから奨学生へのメッセージも多数寄せられ、「多くの大人や団体に支えられている」という実感が生活する上での安心感につながっていくという。

●若者たちの未来を支える パルシステム給付型奨学金