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相模原市、「さがみはらGIGAスクールハンドブック追補編Vol.1」を公開
授業DX、学校生活DXの事例とポイントを紹介
2022年4月11日 06:35
ICT教育の先進的な取り組みで知られる相模原市は、2022年3月、「さがみはらGIGAスクールハンドブック追補編Vol.1」を公開した。
同ハンドブックは、相模原市教育センターが2021年3月に発行した「さがみはらGIGAスクールハンドブック」の内容を追補するもので、探究のレベルアップをめざす授業DXや、学校生活DXなど事例やポイントをまとめた内容になっている。相模原市立総合学習センターのホームページで公開されており、無料でダウンロード可能だ。
授業のDX編では、「ホップ」「ステップ」「ジャンプ」の3段階でICT活用の具体例を紹介。ホップでは、「地図帳の代わりにGoogle Earthを使ってみよう」や「板書を写真撮影し取っておこう」といった簡単なICT活用をリストで取り上げ、”まずはやってみる”ことを重視した内容に。
続くステップでは、タブレットPCは学習におけるインプットとアウトプットを拡張してくれる道具であるという説明からスタートし、そのうえで、児童生徒の認知特性を把握し、それに応じた活用を行なうポイントを紹介。
さらにジャンプでは、ホップ、ステップを踏まえたICT活用を活かす実践を紹介。小学1年の算数や中学3年の外国語など6事例を取り上げ、豊富な画像とともにDXのポイントを解説している。「Google Jamboard」やミライシードの「ムーブノート」を使って、自分が得意な形でアウトプットし、クラスメイトの考えを参考にしながら学びを深めていく様子をまとめている。
学校生活DXのパートでは、相模原市の実践をもとにした学校生活のスマート化と、それを実現するための段階的な取り組み方について紹介している。
同市ではGoogle Classroomを活用して委員会活動や部活動など、生徒主体のコミュニケーションが行なわれている。実際にハンドブックでは、小学4年生や中学2年生の児童生徒がテキストでやり取りしたストリームを掲載し、どのようなコミュニケーションが繰り広げられているのか、教員が具体的なイメージを膨らませやすい内容になっている。
そのほか、学校生活DXに向けて教員間で目的意識を共有することや、児童生徒の書き込み権限を段階的に許可する手順、アカウント管理のポイントなど日常的な活用を生むためのヒントも網羅されている。
相模原市のICT活用が進む背景には、端末の利用を「学習目的」に制限するのではなく「学習」そのものを広い範囲で捉えた取り組みがある。タブレットPCはノートや筆記用具を代替するものではなく、学習活動を拡張するためのものという意識も広く浸透しつつあり、同市の取り組みは、他の自治体でも参考になる点があるだろう。ぜひ、ダウンロードしてご覧いただきたい。