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STEM女性比率30%は実現できるのか、山田進太郎D&I財団がレポート公開

公益財団法人山田進太郎D&I財団が、STEM(理系)領域のジェンダーギャップの構造と、解決策を検証した調査・提言レポート「Project0.91%」を公開(出典:公益財団法人山田進太郎D&I財団)

公益財団法人山田進太郎D&I財団は、STEM(理系)領域のジェンダーギャップの構造と、解決策を検証した調査・提言レポート「Project0.91%」- 「黄金の3割」突破に必要なのは ”100人に1人”の変化 - を公開した。

レポートでは、STEM分野の学部(理工系学部)における女性比率の現状や国際比較、進路選択に影響する要因を整理し、女性比率を現在の18.08%(※1)から意思決定に影響力を持つとされる30%へ引き上げるための具体的な道筋を示している。

※1 文部科学省「令和7年度学校基本調査」をもとに、同財団が算出

同財団によると、STEM分野に進学する女子の増加トレンドが今後も継続することを前提としたうえで、2032年度から2035年度までの4年間で大学進学が見込まれる女子1,077,776人のうち、最大9,797人が文系進学からSTEM分野へ進路変更すればSTEM領域の学部における女性比率30%の達成が可能になるという。この割合は0.91%で、100人に1人の選択の変化に相当する。

レポートでは、女子がSTEM分野へ進学しない理由に挙がりやすい「学力不足」や「親の反対」についても検証。OECDの「PISA 2022(Programme for International Student Assessment)」の調査結果から、日本の女子は国際的にも数学・科学の学力が高く、理系進学を反対されている生徒は1.3%(※2)に過ぎないことから、能力や明確な反対が主要因ではないと分析した。

※2 同財団実施「STEM(理系)女子奨学助成金に応募した高校生を対象とした追跡調査」による

一方で、進路選択にはロールモデルとの接触や心理的な後押しが大きく影響することが明らかになったという。

同財団が実施する返済不要の「STEM(理系)女子奨学助成金」では、給付を受けた人は受けなかった人に比べ、STEM分野への進学確率が26.6ポイント高くなった(※3)。また、中高生女子が企業や大学を訪問し、STEM分野で働く女性社員や学生と交流する「Girls Meet STEM」でも、参加後に理系選択意向が約58.6%(※4)上昇したとしている。

※3 慶應義塾大学総合政策学部の中室牧子研究室との共同効果検証(2025年)による
※4 同財団実施効果分析「Girls Meet STEM参加者アンケート」(2025年、n=1216)による

レポートは、同財団の公式Webサイトにて無料公開されており、PDFファイルのダウンロードが可能だ。

同財団は、2021年7月に株式会社メルカリ代表執行役CEOの山田進太郎氏が設立した。D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の推進を通じて、誰もが能力を発揮できる社会を目指しており、中高生女子のSTEM分野への進学やキャリア選択を支援する事業を展開している。