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マイクラキッズが進化、高校生が小学生を教える立場に
2026年9月4日 06:30
さいたま市の浦和周辺は、教育熱心な地域なひとつ。ここで育った高校1年生の男子3人組が、2026年4月4日に地元の小学生たちにマインクラフトのワークショップを開催した。しかも、この日のためにハイスペックPCを企業から提供してもらったという。どんなワークショップを行うのか、様子を見に行ってきた。
GIGAスクール端末の限界にぶち当たった…
今回、ワークショップを開催したのは、元さいたま市立岸中学校だった生徒たちだ。この3月に同中学校を卒業し、高校に入学する直前の春休みにワークショップを実施した。聞けば、マインクラフトやプログラミングをやりたくて、中学校では理科部を立ち上げたという。
彼らと話をしていると、「高砂小学校」の名前が出てきて、筆者には聞き覚えがあった。「たしか、マイクラカップに出た小学校ですよね?」「そうです」という回答。そうだ、2022年の第4回マイクラカップで受賞したチームである。あのときの小学生たちに、数年たって会うとは……。しかも、彼らは第6回大会でも、近隣の中学校と合同チームでマイクロソフト賞を受賞。そんなマイクラキッズが成長し、地域の子供たちに教える立場になっているのは感慨深い。
塚田さんは、これまでの経緯を話してくれた。「パソコンにあまり触れていない子供たちに、プログラミングやマインクラフトを教えたいと思って、中1のときに理科部を立ち上げました。ただ、その時に使っていたのはGIGAスクール端末だったのですが、やっている途中で性能の限界を感じるようになって……。どうすれば、自分たちの部活でハイスペックPCを使えるか考えた結果、マイクロソフト賞を受賞したこともあってマイクロソフトさんにプレゼンテーションをさせてもらう機会があって、パソコンを提供していただけることになりました」。
PCの提供に協力した企業のひとつ、マウスコンピューターからはハイエンドクリエイターノートPC「DAIV N6-I7G7TBK-C(NVIDIA Studio認定)」が用意された。これで、マイクラ制作以上にできることの幅が一気にひろがる。「マイクラやプログラミングのほかに、ハイスペックPCで動画編集やeスポーツにチャレンジしたかったんです」と塚田さん。そんな念願のマシンを使ってワークショップは開催されたというわけだ。
お題はBlockbenchでブロック or モブをつくろう
ワークショップは、CoderDojo浦和の小学生たちを対象に開催された。彼らもここで学び、先輩が教えに来たという感じになっているようだ。
小学生たちは既に思い思い好きなことに取り組んでいる様子。一部は、eスポーツ大会でよく利用されている「フォートナイト」を楽しんでいた。快適にプレイしようとすれば、それなりのスペックが必要なゲームであるが、ハイスペックPCだから、動きが明らかに滑らか。他には教育版マインクラフトの最新ワールドや、プレビュー版のマイクラで実装が予定されている新モブを愛でたりと自由に楽しんいる。なんという贅沢な環境だ……。
今回のテーマは、「Blockbenchでブロックorモブをつくろう」。Blockbenchとは、マイクラのアドオンやスキン、カスタマイズされたモブやブロックを作ることができるなかなか便利なツールである。ただ、画面上は英語も多いし、そもそも基本的には3Dの制作ソフトなのだ。果たして小学生たちにどの程度できるものなのだろうか……。
そんなこともを思ったのもつかの間。CoderDojo浦和の小学生たちは、プログラミングやPC操作には基本的に慣れている。特に指示を待たずに、自分でわかる範囲で思いついたやりたいことを進めていく。
ある子は、筆者も好きなマイクラの蜂に取り組んでいた。また別の子は色違いの岩盤制作、ある子は将棋の王将の駒づくり……。自由だ。
あまりにも当たり前に操作をしていたので、うっかり気がつかなかったのだが、本来このBlockbenchも決して軽いアプリではない。小学生たちの情け容赦ない要求にさくさく反応しているのはハイスペックPCならではなのだろう。
ストレスなくPCが操作できる状態は、特にプログラミングやPCに興味を持ち始めた小中学生の初学者には大切なポイントである。可能な範囲(ここが難しいところではあるが)で、このような快適な環境を整えてあげたいものだ。
さて、岩盤を作っていた小学生、なにやら困っている様子。どうやら、色は変えられたのだが、虹色に光らせたらかっこいいと思いついたようだ。うーん、そんなことできるのか?どうやるんだろうと後ろから眺めていると、質問された高校生もわからないよう。こういうときは、素直にネットで調べるのも大事。
このように、すぐに回答が出ないことは多々起こる。なんなら、絶対解決できない難題だったりすることだってある。検索結果やAIの回答だって、本当に正しいかどうかはやってみないとわからない。さっそく回答をヒントに作業を進めている様子。どうやら、「アニメーション」という設定からいじっていけば、それっぽくなるようだ。ここまで入り口がわかれば、あとはひたすら試行錯誤である。
できたアドオンをみんなで見よう
こうして、それぞれの取り組みがだんだん形になってきた。Blockbenchの画面では無事それなりに見えているのだが、ここからが肝心。
作ったものをアドオンとして出力し、実際にマイクラに組み込んでちゃんと使えるか確かめる必要がある。1台のPCに、それぞれで出力したマイクラのアドオン形式(.mcaddon)ファイルをWindowsの近距離転送で送ってもらう。普段は、あまりやらない操作のようだったが、一度やっているところを見ると小学生たちは、さっさと自分でやってしまうのであった。
アドオンファイルを組み込んで有効にするのは、やや煩雑なのでここは大人もフォローして確認作業へ。いざインベントリを開いても、出てこなくてやり直したり、出力からもう一回見直すなど、何らかのエラーはつきもの。これ、なにが問題だろ、手順間違えたかな?と真剣に画面に向き合う3人と首をひねる周りの大人たち。
こうして苦労の末、マイクラ世界に自分が作った物があらわれる。見守る大人たちからも拍手と歓声がわく。
一度、流れができると、小学生たちはさらなる改良に取り組み始める。改善/改良が進む、クリエイティブなスパイラルができていく。やりながらも、ちょっとしたエラーはつきものだが、それをひっくるめて全部経験なのである。こうして楽しい時間は過ぎ、気がつくと、そろそろ終了時間。名残惜しそうな様子の小学生たちは解散へ。
本気のやりたいが自分たちの道を開きつづける
ワークショップ後に、高校生の竹田仁耶さん、藤井翔太さん、塚田樹矢さんに話を聞いた。
「子供たちが熱心に聞いてくれて嬉しかった。いろんなところで問題が起きてしまって対応が大変だった」と話してくれたのは、藤井さん。また竹田さんは「プログラミングは得意じゃないけど教えられた。小さい子にもっと寄り添うことができたらよかった」と語ってくれた。子供たちにPCを使って教えることは簡単なことではないが、この年齢でその経験したことは頼もしい。
また、彼らのPCトークも興味深い。普段からネットサーフィンや学習、ゲーム、動画視聴など幅広く活用しているが、動画編集・動画制作も挑戦していた。竹田さんは自分がゲームしている録画を編集してYouTubeに公開していたり、塚田さんに限っては、自作動画を制作。「孤独のグルメ」ならぬ「孤独の飯(ごはん)」という作品を制作していて見せてもらった。お世話になった浦和の鰻やさんを舞台に撮影して編集したそうだ。
さらに藤井さんや塚田さんは、未踏ジュニア(17歳以下の小中高生・高専生を対象とした、プログラミングやIT分野の独創的なプロジェクトを支援するプログラム)にも挑戦したという。マイクラをきっかけに、ここまでPCを使いこなして、成長している姿は全国のマイクラキッズに希望を与えるだろう。
塚田さんは、自分も最初は安いPCを買い与えてもらって、そこから使い始めたと語る。「マイクラカップで賞をもらってから、性能の良いPCに替えてもらいました。CoderDojo浦和とのつながりもあって、PCを学ぶ機会ができたことで親も応援しようと思ってくれたと思います」と語ってくれた。
小学生のときはマイクラで遊び、中学生で理科部を立ち上げ、高校生になると地元の子供たちにワークショップを開催。マイクラキッズがこんな風に成長しているのかと思うと、嬉しい気持ちになる。この先もそれぞれの場所で、どんな道を切り開いていくか楽しみだ。また、この先輩たちの背中を見てきたCoderDojo浦和の子供たちが、クリエイティブ魂を受け継いで、自由に遊び、つくり、学んでいって欲しいと切に願う。







































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